Thursday, December 07, 2006

わたしと小鳥とすずと by 金子 みすゞ   

わたしが両手をひろげても
    お空はちっともとべないが、
    とべる小鳥はわたしのように、
    地べたをはやくは走れない。

    わたしがからだをゆすっても、
    きれいな音はでないけど、
    あの鳴るすずはわたしのように
    たくさんなうたは知らないよ。

    すずと、小鳥と、それからわたし、
    みんなちがって、みんないい。

who is Kaneko Misuzu:
1903(明治36)年4月11日、山口県大津郡仙崎通村(現長門市)生。童謡詩人。本名テル。

1920(大正9)年、郡立大津高等女学校卒業。1923(大正12)年、下関西之端町商品館内、上山文英堂書店に勤務。同年よりみすゞのペンネームをもって「童話」「金の星」「婦人倶楽部」「婦人画報」などの雑誌に童謡を投稿。西条八十より激賞をうける。

1926(大正15)年2月、同書店内に働く上山文英堂の店員と結婚。同年、7月の『日本童謡集』には白秋、八十、雨情、夢二らと並び、みすゞの「お魚」と「大漁」の二編が掲載される。しかし、創作に対する夫の反対にあい筆を絶つ。1930(昭和5)年、2月離婚。翌3月10日、娘を母親に托し、服毒自殺。享年26歳。

没後約半世紀、実弟上山正祐のもとに保管されていた、三冊の遺稿集が『金子みすゞ全集』全3巻(JULA出版局、1984年)として刊行され、日本児童文学学会特別賞を受賞。〈著書〉『新装版 金子みすゞ全集・Ⅰ 美しい町』、同集・Ⅱ『空のかあさま』、同集・Ⅲ『さみしい王女』(JULA出版局、1984.8)矢崎節夫選『わたしと小鳥とすずと』(JULA出版局、1984.8)など。
from : http://www.geocities.com/sisimaikusiki/2001/1028/kanekomisuzu.html

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